108と言えば?人の欲望と煩悩
人が持つと言われる煩悩や欲望。
この煩悩と欲望は似たような意味を持っていますが、微妙に異なるニュアンスがあります。
欲望とは、何らかのものを強く欲しがる心の動きや欲求です。
例えば、食欲や性欲などの身体的欲求、金銭や地位といった外的要因による欲求、ものを所有したいという欲求、自己実現や成長といった内的要因による欲求など、幅広い種類があります。
一方、煩悩とは、仏教における概念で、人の苦しみの根源である「欲望・憎悪・無知」という三毒の中の欲望に相当するものです。
煩悩は、欲望にとどまらず、嫉妬や憎しみ、執着、無明といった様々な人間の弱点や心の乱れを表し、これらが原因で苦しんでしまうという考え方です。
簡単に言うと、欲望とは「何かを手に入れたい」という単純な欲求であり、煩悩はそれ以上に深い心の闇を指す、ということになります。
人間の三大欲とは
人間の三大欲は、「食欲」「睡眠欲」「性欲」です。
これらは、生命維持に必要であるため、本能的に感じるもので、人間にとって欠かせないものとされています。
ただし、人それぞれで欲しいものや欲求が異なるため、三大欲とは限らない場合もあります。
また、精神的な欲求や社交的な欲求といった面もあるため、欲求の種類や数は非常に多岐に渡ります。
人が持つ煩悩とは
煩悩とは自分自身を苦しめる心のこと。
欲が満たされたら苦しまなくて済むのかという問いに対して、仏教では、そんなことはないと考えられています。
この考え方を有無同然(うむどうぜん)と言い、欲しいものが手に入っても人間は幸せになれないという教えです。
お金や美しさ、権力を手に入れても必ず幸せになれるわけではありませんよね。
つまり自分の外の環境を変えても必ず幸せにはなれないという考え方です。
そのことから、仏教では幸せになれない原因は自分の外にあるのではなく、自分の内側にあると考えられています。
自分の内側にあり自分自身を苦しめる心を、仏教では煩悩と呼びます。
煩悩は一人の人間につき108個あると言われています。
大晦日に除夜の鐘を108回つくのは、これに由来していて、108個ある煩悩を鐘が一つ鳴るごとに一つ消して、来年は幸せな一年を過ごしたいという願いが込められているということです。
人が持つ一般的欲望
人が持つ欲望は多岐に渡りますが、一般的によく言われる欲求の種類は以下の通りです。
- 理性的欲求:知的好奇心や学問、新しいことを学びたいという欲求。
- 生理的欲求:食欲、睡眠欲、性欲、排泄欲など、生物として生きるために必要な欲求。
- 安全欲求:身の安全や安心、安定した生活環境を求める欲求。
- 社会的欲求:愛情、友情、交流、信頼など、社会的なつながりを求める欲求。
- 尊厳欲求:自尊心や尊敬されたいという欲求。
- 自己実現欲求:自分がやりたいことを実現し、理想的な人生を送るための欲求。
その他にも、お金や物質、権力、名声、承認欲求など、人それぞれで異なる欲求が存在します。
また、日々の経験や環境によって欲求の強さや種類も変化します。
108の煩悩
08の煩悩というのは、仏教において「欲望・貪欲・我欲などの障り」とされている108の悪い習慣や心の状態を指します。
108の煩悩は、仏教の修行において、このような煩悩を掃除するために108個の煩悩とともに108回数える「数珠を数える」という習慣に生まれました。
- 愚痴(ぐち)
- 愚昧(ぐまい)
- 賢く見せる贋作(けんく)
- 強欲(ごうよく)
- 頑丈さに執着する(がんじょう)
- 顔のつくり(がんこう)
- 過剰な自己主張(がうおう)
- 依存(いぞん)
- 有無を言わせぬ承認欲求(いんしょうく)
- 強要・無理要求(きょうよう)
- 恨み・怒り・怨念(こんじょう)
- 嫉妬・妬み(しっと)
- 入れ替わった状態(じごう)
- 嫌悪の念(けんお)
- 恥ずかしがり・内気(はずかしがり)
- ひどい不機嫌・不平(ふきげん)
- 無関心(むかんしん)
- 無知(むち)
- 無垢・純真(むく)
- 無知からくる傲慢・傲慢(ごうまん)
- 無自覚・鈍感(むじかく)
- 好奇心と探求したい欲求(きゅうきゅう)
- 期待しすぎ(きたい)
- 恐れ(おそれ)
- 絢爛なりし自分(けんらん)
- 懐疑的(かいぎ)
- 派手好き(はでずき)
- 自己中心的(じこちゅうしん)
- 怠惰(たいだ)
- たわごとにおおはしゃぎ(たわごとにおおはしゃぎ)
- 卑屈さ(ひくつさ)
- 開き直り(ひらいじっ)
- 不安定(ふあんてい)
- 不満(ふまん)
- 不適当な判断・批判(ふてきとう)
- 蒼白・生きざまを出す(そうはく)
- 退屈(たいくつ)
- 卑劣で杜撰(ひれつでずさん)
- 硬直(こうちょく)
- 公然と否定・蔑む(こうぜんとひてい)
- 殺意・傷害・報復(さつい・しょうがい・ほうふく)
- 似非(じひ)
- 時がない・焦る(じがない・あせる)
- 想像妄想(そうぞうもうそう)
- 羨望・うらやみ・羨望(せんぼう)
- 執着・こだわり(しゅうちゃく・こだわり)
- 障る要因・執着(しょうるよういん・しゅうちゃく)
- 私得(しちとく)
- 集団に合わせる態度(しゅうだんにあわせるたいど)
- 自己否定(じこひてい)
- 矛盾する欲求(むじゅんするよっきゅう)
- 自己顕示欲(じこけんじよく)
- 自己温存・負けず嫌い(じこおんぞん・まけずきらい)
- 美人・美貌(びじん・びぼう)
- 有名になりたい(ゆうめいになりたい)
- 用心する態度(ようじんするたいど)
- 冷酷・冷笑(れいこく・れいしょう)
- 自分軸・エゴイズム(じぶんじく・エゴイズム)
- 冷淡になる(れいたんになる)
- 悪の芽生え・悪魔が憑依する(あくのめばえ・あくまがひょういする)
- 悲しみ(かなしみ)
- 圧倒で勝負する(あっとうでしょうぶする)
- 感情がコントロール出来ない(かんじょうがコントロールできない)
- 不可能を強要する(ふかのうをきょうようする)
- 疎外感(そがいかん)
- 怒りを感じる(いかりをかんじる)
- 悲劇的な出来事(ひげきてきなできごと)
- 自分に映えるように行動する(じぶんにはえるようにこうどうする)
- 神経質(しんけいしつ)
- 偏見を持つ(へんけんをもつ)
- 差別的な言動(さべつてきなげんどう)
- 配慮が足りない(はいりょがたりない)
- 焦燥・不安感(しょうそう・ふあんかん)
- 心配しすぎ(しんぱいしすぎ)
- 問題を解決できない焦り(もんだいをかいけつできないあせり)
- 虚栄心(きょえいしん)
- ものを大事にする(ものをだいじにする)
- 他人に自分を押し付ける(たにんにじぶんをおしつける)
- 恥(はじ)
- 人格に自信を持っていない(じんかくにじしんをもっていない)
- 不条理なことを求める(ふじょうりなことをもとめる)
- 暴力・破壊衝動(ぼうりょく・はかいしょうどう)
- わがまま・我侭・自我中心的(わがまま・わね・じがちゅうしんてき)
- 妄想・空想(もうそう・くうそう)
- 話を聞かない・相手を無視する(はなしをきかない・あいてをむしする)
- 思い込み・決め付け(おもいこ)
- 上から目線(うえからめせん)
- 責任逃れ(せきにんのがれ)
- 引け目を感じてビビる(ひけめをかんじてビビる)
- 癖・クセ・習慣(くせ・Cuse・しゅうかん)
- アイデンティティ(アイデンティティ)
- 過去に対する執着(かこにたいするしゅうちゃく)
- 愛されたい衝動(あいされたいしょうどう)
- 恋愛おじさん\おばさん(れんあいおじさん・おばさん)
- 根拠のない自信(こんきょのないじしん)
- 飽きっぽさ(あきっぽさ)
- 友達を利用する(ともだちをりようする)
- 体裁・見栄(ていさい・みえ)
- 人を評価する基準(ひとをひょうかするきじゅん)
- エマニュエル・カント(エマニュエル・カント)
- 色欲・性的な欲求(しきよく・せいてきなよっきゅう)
- 不道徳な行動・思想(ふどうとくなこうどう・しそう)
- 心的・感情的な病気や不安(しんてき・かんじょうてきなびょうきやふあん)
- 第六感覚(だいろくかんかく)
- 身勝手な言動(みがってなげんどう)
- 衝動買い・無駄遣い(しょうどうがい・むだづかい)
- 世間体・イメージ(せけんてい・イメージ)
- 邪念・悪念(じゃねん・あくねん)
これらの煩悩は、人間関係や自己理解において、自分自身や他人に対して悪影響をもたらすことがあります。
ですが、これらの欲求や感情を理解することで、自分自身を見つめ直すきっかけになり、自己革新や成長につながる可能性も秘めています。
最後に
欲望や煩悩との付き合い方は人それぞれ異なりますが、以下のような点に注意することで、より健全な心の状態を保つことができると感じます。
- 自分の欲望や煩悩を正直に受け止めること
自分の欲求や感情に嘘をつかず、自分自身をきちんと見つめることが大切です。欲望や煩悩を否定してしまうと、それらがたまりやすくなり、欲求不満やストレスを感じやすくなります。 - 自分自身の欲望や煩悩を客観的に捉えること
自分の欲望や煩悩が、どのようなものであるか、何が原因であるかを冷静に分析することが必要です。具体的な欲求や感情の根本原因を知ることで、それに沿った対処方法が見つかります。 - 欲求を満たすことができる方法を見つけること
欲求や煩悩をそのままにしておくと、ストレスや不満足感がたまることがあります。自分自身が納得できる方法で欲求を満たすことが大切です。 - 楽しむことを忘れずに
欲望や煩悩を持つことが悪いことではありません。自分自身が本当に望むものである限り、それに正直に向き合い、楽しむことが大切です。
ただし、無理をしてしまうと、身体や心に負担をかけてしまうので、適度に休息をとることも忘れずに上手く付き合っていくことが大切だと思います。
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