カロチノイド(カロテノイド)色素
カロチノイド(カロテノイド)色素とは
カロチノイド色素とは、食品添加物に指定されている色素、つまり着色料です。
具体的な色は、赤、黄色、オレンジと、それに準ずるもの。明るくて、鮮やかなものです。
ちなみに、カロチノイド色素の”カロチノイド”とは、微生物を含む動植物から作られる色素のことです。
カロチノイド色素の原料
カロチノイド色素は700種類以上あり、当然その原料はそれ以上の数が存在します。
たとえば、アスタキサンチンというカロチノイド色素の原料はエビやカニですし、リコピンというカロチノイド色素の原料はトマト。栄養素でよく聞くベータカロテンもカロチノイド色素の一つで、主に緑黄色野菜やミカンなどが原料で使用されています。
すなわち動植物から作った着色料はカロチノイド色素と呼ばれます。
具体的な色素
- ベータカロテン(βカロテン、βカロチン)
- イモカロテン
- パーム油カロテン
- アナトー色素
- エビ色素
- カニ色素
- オキアミ色素
- オレンジ色素
- トマト色素
- トウガラシ色素
- トウモロコシ色素
- ファフィア色素
- ヘマトコッカス色素
- ベニノキ末色素
- マリーゴールド色素
カロチノイド色素の表示義務
カロチノイド色素が使われている食品には、きちんとその旨が記載されています。
ただし、表示名に統一性はなく、カロチノイド色素(カロテノイド色素)と書かれている場合もあれば、カロチン色素(カロテン色素)、カロチン(カロテン)と書かれている場合もあります。
違う表示名でも同じカロチノイド(カロテノイド)
何から抽出した色素で作られた着色料なのかは書かれていないことのほうが多いでしょう。
ただ、えびやカニは表示が義務化されている特定原材料(7品目)に該当するため何らかの表示はあります。
例えば、原材料の一部にえびまたはカニを含む。など。
カロチノイド(カロテノイド)色素の用途と効果
カロチノイド色素は、主に食品や化粧品の着色にもちいられています。
主に使われているもの
ハムやベーコンといった加工食品によく使われています。
これらは肉から作られているものですから、本来はもっと茶色。鮮やかな色をしている場合、それは着色料によるものでしょう。
ほかにも、チーズやマーガリンなどの乳製品には黄色を、エビやカニなどの水産加工物には赤色をもちいてることが多いです。
そのほか、カロチノイド色素は菓子類にもよく使われています。
カロチノイド色素の効果
カロチノイド色素を使うと色鮮やかになり、食欲をそそります。
そのため、カロチノイド色素で着色された食材で料理を作ると、とても色鮮やかで素敵な仕上がりになります。
また、カロチノイド色素の種類によっては、次のような嬉しい効果や効能が得られる場合があります。
ベータカロテン…夜盲症の予防
リコピン…血流の改善
フコキサンチン…メタボリックシンドロームの予防
カプサンチン…生活習慣病の予防
ベータクリプトキサンチン…抗ガン作用
ルテイン、ゼアキサンチン…白内障の予防
アスタキサンチン…眼精疲労の回復
カロチノイド(カロテノイド)色素に危険性
カロチノイド色素は数百種類の着色料の総称です。そのため一概に危険性がないとはいえません。
たとえば、アナトー色素という赤色の色素はベニノキの種子から作られるのですが、このベニノキの栽培地が水銀に汚染されており、それにともなってアナトー色素から水銀が検出されたことがあります。
また、すべてのカロチノイド色素にいえることですが、天然抽出物だけでは量が足りないときに合成化合物が混ぜられる場合もあり、そういった色素は発がん性のリスクも高まるでしょう。
さらに、コストを削減するために遺伝子組み換えの原料をもちいた場合は、染色体異常などの危険性が高まり、妊娠中にはさけたい物質となります。
一番の危険は、その食品にカロチノイド色素が使われていることはわかっても、いったい何から作られた色素なのかはわからないということ。
どうしても避けたい場合は、着色料そのものを避けなければなりません。
色鮮やかなものを避ける
カロテノイド色素は、各色素ごとに摂取量が定められています。
そして現在のところ、カロテノイド色素の過剰摂取の例は報告されていませんので、とくに神経質にならなくても大丈夫だと思われます。
着色料をもちいる最大の理由は、食品を色鮮やかにするためです。
摂取を最大限に控えるのであれば、明るすぎる色、鮮やかすぎる色の食材は避けるようにしましょう。それだけでも充分に違いがあると思われます。