安全なものとも言い切れない ソルビトール(ソルビット)
ソルビトール(ソルビット)とは
ソルビトールとは、ブドウ糖を還元してできる糖アルコールのことで、元々自然の食べ物にも含まれており、海藻類やバラ科の果物(りんご、なし、桃、プルーン)に多く含まれています。
食品や飲料への添加物として使用される他、保湿性があることから化粧品やスキンケア商品などに使用されたり、下剤や栄養剤などの医薬品に使用されたりすることがあるようです。
ソルビトール (sorbitol) は、グルコースを還元※し、アルデヒド基をヒドロキシ基に変換して得られる糖アルコールの一種。ソルビット (sorbit) またはグルシトール (glucitol) ともいう。甘味があり、食品添加物などに用いられる。
※酸化物から酸素を奪う反応、もしくはある物質が水素と化合する反応のこと。
ソルビトールの用途
ソルビトール使用の目的
- 冷凍障害の防止・・・多くの水分を保持できるため、凍る時に食品の細胞膜に傷がつきにくくなります。
- 味がよく染みる・・・浸透性が良いので、味がよく染みます。煮物や漬物にも利用されています。
- 微生物の繁殖を抑える・・・水分活性を低下させるため、微生物の繁殖を抑えることができます。
ソルビトールは、食品添加物としては主に甘味料の用途で使用されています。サッカリンやアセスファムカリウムと比べて、甘味の質が良いとされていますが、その甘味度は、砂糖の60%程度と言われています。
そのため、ダイエットのための食品や飲料、サプリメントなどに使用されていますが、甘みが少ないために満足感を感じにくいので多めに摂取してしまう傾向があり、ダイエット効果が減少してしまうこともあるそうです。
ソルビトールは溶解する際に吸熱反応を起こすことから、口の中に入れると清涼感を得られます。この性質がガムや飴などの菓子類に利用されているのです。
また、ソルビトールは保湿性や安定性があるため、煮豆や佃煮、生菓子などにも使用されています。ソルビトールを冷凍のすり身に加えると、水分を保持し、冷凍後も品質が変わりにくくなるとも言われています。コンビニで販売されているおにぎりにも、米がパサパサしないようにソルビトールが添加されていることがあります。
過剰摂取による危険性
2012年に、海外で医療機関においてソルビトールを投与された女性が死亡した事故が発生したという、ショッキングな報道がありました。しかし現地当局の情報によると、女性の死因は他の物質の摂取によるものであったとされています。実際のところ、その因果関係は明らかになっていませんが、ソルビトールの摂取が直接の死因となったわけではなさそうです。
一般的に、ソルビトールは、通常の摂取量ならば特に危険性はないとされています。しかし、過剰摂取すると健康への影響が心配されます。具体的な症状としては、お腹がゆるくなりやすく、腹痛や下痢などを起こしやすくなります。ソルビトールは国際機関でも安全性が高いと評価されているため、1日あたりの摂取許容量は定められてはいないようです。しかしどんなものでも過剰に摂取していいものなんて存在しないと思います。
また、ソルビトールには発がん性などの毒性も確認されておらず、安全性は高いと言われています。ただし、糖尿病を罹患している人は、ソルビトールの摂取は要注意です。砂糖に比べて、血糖値をがさほど上昇させないため安全ではないかと思われるかもしれませんが、ソルビトールは細胞中に溜まりやすい性質があるため、高血糖の糖尿病の人は合併症を引き起こすリスクがあるとされています。
まとめ
ソルビトールは甘みが控えめであることから、より多く摂取したくなる衝動に駆られやすく、依存性の高いものとされています。健康な人でも、あまり積極的に摂取することは好ましくないかもしれません。