見て楽しむだけじゃない タンポポ茶
タンポポ茶とは
たんぽぽ茶の名前は知っていても、詳しくは知らないという人も多いのではないでしょうか?
まずは、たんぽぽ茶について調べてみました。
タンポポ茶とたんぽぽコーヒー
「たんぽぽコーヒー」という名前聞いたことありませんか。同じタンポポを名乗るお茶です。
たんぽぽ茶とたんぽぽコーヒーの違いは何なんでしょう。二種類の飲み物があってタンポポ茶は日本茶に近くタンポポコーヒーはコーヒーに近い飲み物なんでしょうか。実は、どちらも同じものなのです。
たんぽぽ茶は、お茶というよりはコーヒーに近い飲み物ということです。
タンポポ茶の歴史
たんぽぽ茶という名前から、日本や中国などが発祥の飲み物のように感じられますが、たんぽぽ茶は、日本や中国でなくアメリカ合衆国で考案されました。なんか意外な感じです。
200年位前の1830年代のニューヨークアルビオンに、たんぽぽ茶の作り方の紹介の記事が掲載されたのが、たんぽぽ茶の始まりとされています。
1852年にはスザンナムーディーという人が、がカナダの森で暮らした体験を綴った本にも記されていますが、たんぽぽ茶の始まりについては諸説あり、ポーランドで誕生したという説もあります。
ポーランドでは貴族の人しか飲むことができない味を、国民にも味わってもらいたいと、国王の考えによりたんぽぽコーヒーができ、ヨーロッパに広まったとも言われています。
タンポポ茶って何
たんぽぽ茶はたんぽぽコーヒーとも言われていますが、名前にあるようにたんぽぽから作られているのはお分かりだと思いますがタンポポでコーヒー?想像できませんよね。
見た目はコーヒーのようですが、コーヒー豆から作られているのではありません。しかも使うところはタンポポの根です。
たんぽぽの根を水洗いし、水に入れてあく抜きをしたものをフードプロセッサーで細かくします。
天日干しにしてカラカラに乾燥させたら、フライパンで焙煎して完成です。焙煎したたんぽぽの根は、遠目で見るとコーヒー豆のように見えます。
焙煎された根をコーヒーと同じようにドリップするか煮だしてたんぽぽ茶ができあがります。
根本的な作り方から見ると、たんぽぽの根しか使われておらず、たんぽぽそのものを利用した自然からできたお茶ということが分かりますね。
タンポポ茶に含まれている成分
たんぽぽ茶には、次のような成分が含まれています。
・クロロゲン化合物(酸味や渋みの元でポリフェノールの一種)
・イヌリン(ごぼう、ニラ、にんにくなどに含まれる成分)
・タラキサシン(苦みを感じる成分)
・コリン(卵やレバー、牛乳や豆にも含まれている成分)
・カリウム
・ミネラル(カルシウムや鉄分)
・ビタミンAとビタミンK
などの成分が含まれており、食物繊維も少ないですが含まれています。
漢方薬としても利用されている
たんぽぽの根 蒲公英根(ほこうえいこん)という漢方薬で古くから利用されています。
たんぽぽはキク科の多年草であり、ユーラシア大陸に多く分布しています。
たんぽぽにも種類が多数あり、中国ではモウコタンポポやシナタンポポ、オダサムタンポポがあり、韓国ではケイリンタンポポ、日本ではカンサイタンポポなどがあります。
漢方薬として使われるときには、肌の吹き出物やのどの腫れ、結膜炎や胃炎、肺炎などの炎症が起きたときに利用されています。乳腺炎もこのひとつです。
タンポポ茶の味
たんぽぽ茶について知ったところで、気になるのはその味ですが、たんぽぽの根から抽出した飲み物なので、草や根の野生の味や匂いがするのか、また薬草のような味がするのかなど、飲んだことがない人にはどのような味か想像ができません。
実は、たんぽぽ茶はとても飲みやすく、メーカーでも差がありますが、苦みのないものが多くあります。たんぽぽの根と聞くと、苦みや渋みの印象が強いのですが、そうではありません。
市販のメーカーによっては、苦みを感じるものも一部あるようです。
また道端に生えているたんぽぽを摘んで、自宅で作ると苦みが出ることがあります。
また、たんぽぽ茶は独特のくせや風味がないのも特徴で、コーヒーに近い風味をもっています。
味はコーヒーよりも麦茶に近く、香ばしい香りと味がするみたいです。
種類によって、とっても苦いものや麦茶程度の苦さしか感じないなど意見も分かれているので、購入の際には、そのたんぽぽ茶がどのような苦さなのかも確認して買ってみるとよいですね。
タンポポ茶の効果と効能
利尿作用がありむくみにも効く
たんぽぽの根は別名『おねしょのハーブ』と呼ばれています。
たんぽぽ茶の一番の効能と言えば、利尿作用とも言われていますね。たんぽぽ茶には豊富なカリウムが含まれています。
カリウムは、ナトリウムと相互に作用しながら、身体の水分量を保持する働きをもちます。さらに、腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制し、尿への排泄を促進するため、血圧を下げる効果もあるのです。
妊娠高血圧症候群の予防にも効果的ですね!
また、尿の回数が増えるので「頻尿になるかた嫌だ!」という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、尿が適度に多くなると、身体に溜まっている老廃物や毒素も一緒に体外に排出してくれるので、デトックス効果があるのです。カリウムだけでなく、カフェインにも同じく利尿作用がありますよ。
健康な骨づくりができる
たんぽぽの根には、「カルシウム」と「ビタミンC」も豊富に含まれています。
骨の強化と成長に欠かせないカルシウム、そしてカルシウムの働きを促進するビタミンCの両方が含まれている食品は、なかなかありません。カルシウムを多く含む食品としては、魚や納豆、牛乳やチーズ、小松菜やわかめなどもあります。
カルシウムが多く含まれている食品を摂取していたとしても、実はカルシウムは吸収率がとても悪いのです。腸へのカルシウムの吸収率を上げるために必要な栄養も一緒に摂ると良いとされています。
しっかりとカルシウムを吸収することで、骨粗鬆症の予防だけでなく、糖尿病やアルツハイマー病など、様々な生活習慣病の予防になることも分かっています。
肝臓の解毒作用がある
たんぽぽ茶には、薬学ジャーナルの研究によると肝臓の解毒作用があることが発見されました。
肝臓は、脂質代謝を主に行っている部分ですが、有害物質など体にとって不要なものも無害化する
働きも持っています。甘いものやアルコールを摂りすぎてしまったり、ストレスを感じてしまったりすると、肝臓が疲れてしまい、解毒作用の働きが弱くなってしまいます。
そこで肝機能低下に効果があるたんぽぽ茶が登場です。現段階でまだ検証中ではありますが、動物実験でたんぽぽ茶によって、体内の解毒酵素が増加したことが確認されました。
視力や肌を健康に保つ
たんぽぽ茶にはビタミンAが含まれています。
ビタミンAの主要な成分はレチノールと呼ばれ、目や皮膚の粘膜を健康に保ち、抵抗力を強めます。
レチノールの働きで、薄暗いところでも視力を保つ働きもあります。そのためビタミンAが不足してしまうと、夜盲症という病気になります。
さらに、近年はレチノールが上皮細胞の発癌物質の力を抑制することも分かってきました。
視力や肌を健康に保つ大切な成分なのです。たんぽぽ茶以外にも、うなぎやレバー、乳製品、卵などにビタミンAは含まれています。
貧血の予防になる
たんぽぽ茶には鉄分が豊富にふくまれています。
鉄分は血液中のヘモグロビンに必要な栄養素で、血液の構造物を作るために必須な成分です。
女性や妊娠中の方にも多い貧血は、気分が悪くなったり立ち眩みがしたりと本当につらい病気です。
貧血予防のために、鉄分のサプリメントを摂取している人も多くいます。しかし、1日の数が決められているものもありますし、金銭的にも負担がかかります。
たんぽぽ茶であれば普段から気軽に飲むことができるので、日常的な飲み物として、貧血気味の方におすすめできるお茶です。
ダイエット効果が期待できる
たんぽぽ茶は実はダイエット効果があると評価も高い飲み物です。
それは、100グラム当たり45㎉という低カロリーと、食物繊維が含まれていること、そして体内から不要なものを外に出す利尿作用があることから、人気があります。
たんぽぽ茶を飲めば痩せるということではなく、普段の飲み物として飲み、適度な運動や規則正しい生活を行うことで、ダイエットのサポート役になってくれます。
ホルモンバランスを調節する
たんぽぽ茶に含まれているタラキサシンは肝臓の働きをよくしてくれます。
肝臓は、エストロゲンという女性ホルモンの過剰な分泌を抑える働きがあり、ホルモンバランスを整える役割も担っています。
さらに、エストロゲンは美肌効果や髪の毛につやを与えるなど、女性に嬉しい効果もあります。
生理不順や生理前後に無性にイライラしてしまう人、産後のホルモンバランスを整えたい人、妊活中の人などにも、おすすめの飲み物です。
母乳が出やすくなる
授乳中の方は「たんぽぽ茶=母乳が出やすくなる飲み物」というイメージが強いでしょう。
筆者も授乳中の時には、たんぽぽ茶だと思っていました。まず一つの理由としては、たんぽぽ茶は身体の冷えをまもり温まる効果があること。
もう一つの理由は、先程のエストロゲンの分泌を抑制することで、母乳を出すホルモンであるプロラクチンを正常に動かすことができること。この2つから母乳が出やすくなると言われています。
もちろん個人差はありますが、たんぽぽ茶を飲んだら母乳不足の悩みが解消した、赤ちゃんがごくごく鳴らしながら飲んでくれた、もっと早く飲めばよかったなどの意見が多くあるのも事実です。
授乳中は水分補給も大切となるので、たんぽぽ茶で水分補給と母乳の出を改善してみましょう。
便秘にも効果的
たんぽぽ茶には食物繊維が含まれており、便秘の予防や改善に繋がります。
妊娠中や生理前後など女性に多い便秘ですが、最近は子どもや男性もよくなると耳にするようになりました。
たんぽぽ茶には食物繊維であるイヌリンという成分が多く含まれています。イヌリンは水溶性の食物繊維なので、吸収されやすく、スムーズな排便を促進してくれます。
さらに、イヌリンは胃腸の消化液に強い性質を持つので、腸までしっかりと届くのです。腸に届いたイヌリンは、フラクトオリゴ糖に分解され、善玉菌のご飯となります。
その結果、善玉菌がふえて、腸内環境もよくまりますよ♪
タンポポ茶のカフェイン
たんぽぽ茶には、びっくりするくらいたくさんの効果や効能が期待できます。
さらに驚きなのは、ノンカフェインということです。カフェインは、カルシウムが体内に吸収されるのを邪魔する働きをもっています。
さらに、カフェインが苦手で摂取すると頭痛がする、妊娠中だから飲めないという方もいますね。
妊娠中、特に妊娠初期はカフェインの過剰摂取により流産のリスクが高くなってしまいます。
たんぽぽ茶はノンカフェインなので、妊娠中や授乳中の方におすすめです。妊娠中に起こりやすい便秘やイライラ、貧血やカルシウム不足、授乳中にある母乳不足やイライラ、貧血なども予防してくれるので、強い味方になってくれます。
コーヒーが好きだけどカフェインが苦手という人も、コーヒーの代用になりますね。カフェインが入っていないので、夜寝る前などにも飲むことができます。
タンポポ茶のいれ方、作り方とおすすめの飲み方
タンポポ茶の入れ方
たんぽぽ茶には、ティーバッグタイプやドリップタイプの2つがあります。
ドリップタイプの場合には自分で好きな濃さで味わうことが可能ですし、ティーバッグタイプは手軽に作ることができ、水出しなども可能です。
市販の種類によって、煮だす時間なども違うので、表示を見ながら作ってみましょう。
タンポポ茶のおすすめの飲み方
たんぽぽ茶は、そのままお茶としてストレートで飲んでも美味しいのですが、他にも人気の飲み方があるのをご存知ですか?
<アイスタンポポ茶>
夏場はひんやり氷をいれてアイスのたんぽぽ茶ですっきりと飲んでみましょう。
まずは、お湯でたんぽぽ茶をつくり、冷蔵庫で冷やします。一般的に2日~3日ほど冷蔵庫で保存できるので、忙しいときには多めに作ってストックしてもよいでしょう。
<黒砂糖入りで甘さとコクアップ>
たんぽぽ茶に甘さをプラスしたい時には、砂糖よりも黒砂糖が合います。
黒砂糖にもミネラルが豊富なので、砂糖よりもおすすめです。さらに、甘さだけでなく、香ばしさやコクが増し、とても美味しくなりますよ。
<チャイ風タンポポ茶>
最近はチャイが人気です。たんぽぽ茶に、ミルク(牛乳でも合います)と生姜を少し加えると、チャイ風になります。
さらに、シナモンとカルダモンを少々入れると、本格的なチャイ風たんぽぽ茶の完成です。
牛乳の代わりに栄養たっぷりの豆乳でもよいです。乳アレルギーの方などは豆乳で試してみてください。
まとめ
妊娠中や授乳中の方にオススメされているたんぽぽ茶。身体によい効果や効能がたくさんあるので、たくさんの方に日頃から飲んでもらいたいお茶のひとつです。市販品も多く、それぞれの味を選ぶのもまた楽しいのではないでしょうか?貧血・母乳不足・生活習慣病などを改善する効果ももっているので、ぜひ自宅でも家族と飲んでみてください。