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食品添加物 酸化防止剤

酸化防止剤

お酒の中でもちょっと特別な存在のワイン。高級なディナーで楽しんだり、特別な日のプレゼントに贈ったり。ワインを職業にしている人も多くいますし、ワインに詳しいと、お酒を飲まない人からも一目置かれることも珍しくありません。
そんなワインですが、あけたら飲みきらないといけないという印象がとても強いのではないでしょうか。それほど、ワインというのは酸化しやすい飲み物なのでワインに使われる酸化防止剤は、仕方のないものなのでしょうか。これがないと、ワインは作れないのでしょうか。
そもそも、酸化防止剤って何を使い、どういう原理で作られているのか…私たちの身体に害や危険性はないのか、調べてみました。

酸化防止剤とは

酸化防止剤の原理とは

長期保存食品のほとんどが真空パックにされていることからもわかるように、食品は、酸素に触れると傷んでしまいます。それを酸化というのですが、酸化防止剤とは、その名のとおりこの酸化を防止する、つまり、食品が空気に触れて傷んでしまわないようにするものです。
酸化防止剤を添加すると、その添加物が酸化することにより、食品の酸化を防いだり遅らせたりするものです。

ちなみに、酸化防止剤食品添加物の一種で、使用した場合は酸化防止剤と明記することが義務付けられています。

酸化防止剤の種類や原料

酸化防止剤には、水溶性と脂溶性の二種類があります。
水に溶ける物質か、油脂に溶ける物質かということですが、これは、添加する食品に応じて使い分けられます。

水溶性酸化防止剤

果物の加工品やお茶、清涼飲料水など油を使わない食品にもちいられます。代表的な原料は、アスコルビン酸・亜硫酸塩・エリソルビン酸・ビタミンE(VE)など。

脂溶性酸化防止剤

インスタントラーメンや惣菜、お菓子などの油を使った加工品に使用されます。代表的な原料は、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)・BHT(ジブチルヒドキシトルエン)・没食子酸プロピル・トコフェロールやトコトリエノールなどのビタミンE(VE)など。

酸化防止剤は化粧品にも使われている

酸化防止剤は、食品だけではなく化粧品にももちいられています。
目的は、悪臭(酸化臭)と酸化による成分の変質を防止すること。それから、が酸化するのを防ぐ効果を付け加えるためです。

ワインに使われている酸化防止剤

では、ワインには水溶性の酸化防止剤が添加されているのでしょうか?
実は、ワインの場合、酸化防止剤を添加してるのではなく、成分の中に酸化防止剤の役割を果たすものが含まれているのです。
その物質とは、亜硫酸と二酸化硫黄。これらが酸化防止剤として防腐や保存に役だっており、ワインの酸化を防いだり、微生物の増殖や活動を抑制したりしています。

ワインに使用される酸化防止剤の害と危険性

ワインは日本国内で生産されるものと日本国外から輸入されるものの2種類があります。
日本国内で生産される場合、添加される保存料や酸化防止剤などの食品添加物は日本の法律(食品衛生法)に則り、使用基準を守って流通します。
しかし日本国内以外から輸入されるワインは基本的に製造された国の法律に則って製造されています。
ワインの輸入国はフランス、イタリア、スペイン、アメリカ、チリが大半を占めていますが、それぞれ食品に関する法律が違います。
日本国内で流通させるためには日本の法律に準拠したものでなければなりません。

輸入食品には日本では使用が禁止されている発色剤着色料保存料等の食品添加物が使用されている場合があります。例えば過去、以下のような違反例があったそうです。

ワイン:ソルビン酸の過量使用、二酸化硫黄(酸化防止剤)の過量残存
ワインクーラー:安息香酸(保存料)の対象外使用

ソルビン酸は合成保存料です。ソルビン酸は非常に不安定な物質で空気中の酸素と結合し別の物質に変化します。
二酸化硫黄は前述した通り酸化防止剤です。二酸化硫黄は別名亜硫酸ガスといって車の排気ガスや工業活動、また火山活動のような自然界でも発生することがある物質です。

過去に違反があったことでジェトロは注意を呼びかけていますが、発覚しなかったものや非常に古いワインなどに日本の基準値を超えているものが含まれている可能性はあります。

ちなみにここ10年で7倍に輸入量が増えたワインにチリ産があります。チリ産ワインは為替の影響などもあり非常に安いため2015年にはわずかですがフランス産を上回り輸入量1位になっています。そんなチリの食品に関する規制は、食の国際規格であるコーデックスに則っているようです。

ワインを飲むときは適量を

酸化防止剤には、安全なものと、危険性が高いもの、ある一定量をこえると体内から排出されるものなどいろいろあります。
しかし、含まれている酸化防止剤が一体何なのか、確実に知るのは難しくワインなどの飲料はついつい飲みすぎてしまう傾向にあるので、できれば量をとり過ぎないように気をつけるといいですね。大抵の場合、過剰摂取にならなければあまり心配することはありません。

二酸化硫黄

二酸化硫黄は、自動車の排気ガスに含まれる物質であり、公害や環境汚染をもたらす可能性のあるものとして知られています。一方、食品添加物として、食品や飲料の酸化防止や保存、漂白などに使用されていることもあり、私たちも普通にそれを摂取していますが、これには健康への影響が懸念されます。

二酸化硫黄とは

二酸化硫黄は、刺激臭のある無色の気体で、別名で亜硫酸ガスとも呼ばれています。車の排気ガスや工業活動、また火山活動のような自然界でも発生することがあります。

二酸化硫黄は酸性雨や公害の原因にもなる毒性の強い物質です。かつて、日本における有名な公害で足尾銅山鉱毒事件、四日市ぜんそくなどがありましたが、これらの発生原因は工業活動などの影響で、二酸化硫黄が発生したことによるものとされています。

二酸化硫黄は、私たちの体内に入ると、せきや気管支炎、気管支喘息などを引き起こし動物実験によろと胃から出血したり、体重が減少したりする可能性があることも分かっています。一定量の二酸化硫黄が含まれているワインを毎日ラットに飲ませるという動物実験を行ったところ、肝臓に障害がみられたという結果もあります。また、発がん性や催奇形性、腎臓への障害なども心配があるとされています。さらに、水に溶けると亜硫酸になるので、それを摂取した場合にを刺激され、腹痛や下痢を引き起こす可能せもあります。

人体にとって有害であることが明らかになっている二酸化硫黄ですが、衣類や紙の漂白剤や殺虫剤、また食品添加物としての用途があります。

二酸化硫黄の臭い(におい)

二酸化硫黄は刺激臭が強いと言われます。では実際にどんな臭いかというと、二酸化硫黄の臭いは火山の噴煙や温泉を思わせる臭いです。また温泉街に行くと腐った卵のような臭いがします。あの臭いを思わせる臭いです。一時期問題になりました硫化水素のにおいです。

日本には活火山がいくつかありますが、例えば長野県の浅間山が噴火したときはたくさんの二酸化硫黄が放出されたそうです。浅間山とは限らず三宅島や伊豆大島の噴火の際にも火山ガスと共に二酸化硫黄が観測されています。火山が噴火のする時のあの温泉の硫黄のような臭いを思わせる臭いが二酸化硫黄の臭いです。

二酸化硫黄の性質

硫黄の粉末に火をつけて乾いた臭気ビンの中で二酸化硫黄を発生させて、その性質を調べた実験から得られた二酸化硫黄の性質は、

  • 気体となっては発生した二酸化硫黄は腐った卵のような刺激的な臭いがあり無色である。
  • 蒸留水を加えてみた結果、水には溶けやすい性質であり、その水溶液は酸性を示すがしばらくすると白くなることから漂白性がある。
  • ほかの物質と反応させてみた結果、二酸化硫黄は還元剤として働き、また酸化剤として働く性質がわかる。
  • 有毒を発する。

このような性質のほかに、紫外線を吸収すると蛍光を発する性質があります。その性質を利用して環境省では、その蛍光の発色の強さをもとに、大気に含まれている二酸化硫黄の量を測り大気汚染の尺度にすることがあります。

また生態系に悪影響を及ぼすと言われる酸性雨の原因のもとを作り出す性質があります。火山活動や人為的に燃焼させた燃料よって放出される二酸化硫黄(そのほか窒素酸化物など)は大気中で光化学反応などの化学反応をおこして硫酸や硝酸に変化する性質があり、変化した物質が雨や雪などに溶け込み酸性雨となって降り生態系に悪影響を及ぼすことがあります。そのため世界の気象を観測する拠点では大気観測の測定の物質として観測しています。

ちなみに二酸化硫黄の特徴となる性質ではありませんが、火山噴火の際には火山ガスと一緒にたくさんの二酸化硫黄も放出されることから、気象庁は火山口から放出される二酸化硫黄の放出量を調べて火山活動の参考にされている物質でもあります。

食品添加物としての用途

二酸化硫黄は昔から防腐剤やワインなどの保存に使用されてきました。古代ローマ時代に遡ると、ワインを作るため樽に亜硫酸ガスを発生させていたとも言われています。

ただ、二酸化硫黄が食品に加えられるのは、防腐の目的ではなく、見た目を良くしたり、殺菌をしたりする意味合いが大きいようです。具体的には、食品添加物として保存料漂白剤酸化防止剤などに使用されています。また、干し柿が作られる際に保存性を高めるために、粉末を吹きかけることがあるようです。

使用されている食品と禁止されている食品

二酸化硫黄が使用されている食品例を紹介します。

保存料として

まず、保存料として使用されているのが果汁、ジュース類、ワインなどです。特にワインは製造過程において大切な役割を果たしているとされています。

漂白剤として

漂白剤として使用されているのが、かんぴょうや煮豆、甘納豆などです。

酸化防止剤として

酸化防止剤として使用されていることがあるのが、エビやカニ、ドライフルーツなどです。

ただし、二酸化硫黄は人体にとって有毒であるとされているため、これらは使用基準が決められており、使用量も食品ごとに制限があり、私たちの食卓に届くまでには厳しい検査を経ているものとされています。
そして、二酸化硫黄はゴマや豆類、野菜には使用が禁止されています。二酸化硫黄でこれらを漂白する目的で使用することは、それらの品質や鮮度に関して、消費者の誤解を招く可能性があるからとされています。

酸化防止剤の目的と役割

酸化防止剤」とは、自らが酸化することでほかの食品そのものの酸化を防ぐ食品添加物である。水溶性と脂溶性に大別され、食品の素材によって使い分けられています。

役割のひとつ目は、油脂食品類の酸化による色や風味の劣化を防ぐこと。ふたつ目は、果実加工品や漬物の変色・褐色化を防ぐこと。3つ目は、有害な過酸化物や発がん物質の生成を防ぐこと。酸化された食品は栄養価が落ちるほか、過酸化物を口にすると消化器障害や食中毒を引き起こす可能性があるため酸化防止剤が使用されています。

食品によく使われている酸化防止剤

食品によく使われている酸化防止剤3つを調べてみました。

L-アスコルビン酸(ビタミンC、V.C)

水に溶けやすく、変色、褐変、風味の劣化などを防ぎ食品中で酸化することで品質改良剤の役割を果たします。また、ビタミンCとして栄養強化剤の効果もある。原料に遺伝子組換のジャガイモやトウモロコシを使用していることが問題視される場合があるが、基本的には含有量は少ないため、すぐに人体への影響はないと考えられています。

  • 使用食品:果実加工品、漬物、缶詰、パン、そう菜等

ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA

化学合成により作られる脂溶性酸化防止剤。安定した酸化防止効果を発揮する反面、発がん性を持つことが指摘されています。またBHTは、カップ麺の容器などに安定剤として使われており、パッケージ類からBHTが食材へうつる点が懸念されています。

  • 使用食品:油脂、バター、魚介乾製品、魚介冷凍品、魚介塩蔵品等

亜硫酸ナトリウム (亜硫酸ソーダ

水に溶けやすく、酸化、褐色を防止するほか、漂白効果もある。古くから硫黄を燃やして亜硫酸ガスを起こすことでワインの酸化と過発酵防止、ぶどうの殺菌に使われている。胃の弱い人が摂取すると、胃痛を起こす可能性があります。

  • 使用食品:ワイン、ドライフルーツ、天然濃縮果汁等

実は「カテキン」も酸化防止剤

お茶から抽出される成分でよく知られているカテキンは、酸化防止剤としても使用されています。ツバキ科チャの茎や葉などを乾燥させたのち、水かエタノールで抽出し酸化防止以外にも、殺菌、消臭効果があり、人体にはほとんど影響を及ぼすことのない安全性の高い酸化防止剤といわれています。ビタミンC、ビタミンE、クエン酸などと一緒に使用すると相乗効果があらわれ清涼飲料水、菓子、水産加工品、食肉加工品、油脂などに使われ、カテキンを原料とした酸化防止剤が開発されています。

酸化した食品を摂取することと、酸化防止剤の含まれた食品を口にするのでは、どちらが身体への負担が大きいのかはどちらもですが、食生活において酸化防止剤は切り離せないものとなっており、安全性を考慮した規定量を守ることが一番大切な事だと思います。