体の仕組み 心臓
心臓
心臓は血液を全身に送り出すポンプの役割をしています。大きさはにぎり拳(こぶし)くらいです。
心臓の動き
心臓は4つの部屋からできていて、常にからだ中へ血液を送り出しています。
血液は50秒ほどでからだを一周するくらいの速さで循環しています。
心臓のしくみ
心臓はきれいな血液を全身へ送り、よごれた血液を回収して肺に送ります。心臓の中は右心房(うしんぼう)、右心室(うしんしつ)、左心房(さしんぼう)、左心室(さしんしつ)の4つの部屋に分けられています。心房は血液を受け取り、心室は血液を送り出す役割をしています。心房と心室の間には弁膜(べんまく)があり、血液は一方通行で流れています。
左右の心臓のはらきのちがい
心臓の右側は血液を肺へ送るポンプ、左側は血液を全身に送るポンプとして、はたらきがあります。
心臓はからだ中に血液を送り出す大切な仕事をしています。
心臓と心拍数(しんぱくすう)
心臓はふつう、1分間に70回程度、規則正しく血液を送り出しています。この1分間の拍動数(はくどうすう)を心拍数(しんぱくすう)といいます。心拍数は運動をしたとき、食事のあと、熱があるときなどに増えます。心拍数は子どもの方が多く、大人になるにつれて少なくなります。
血液の流れ
心臓から血液を送り出す血管が動脈で、心臓に血液をもどす血管が静脈です。
Q : 血液のはたらき
血液はからだ中に栄養などを運んでいます。主に3種類の血球と血漿(けっしょう)からできています。
血液の役割
血液はからだのすみずみまで酸素や栄養を送り、二酸化炭素やいらない物質を回収するはたらきをしています。
【1】酸素と二酸化炭素を運ぶ役は:赤血球と血漿(けっしょう)
【2】栄養、ホルモン、いらないものを運ぶ役は:血漿
【3】からだのなかに入ってきた細菌などとたたかう役〈免疫(めんえき)〉は:白血球
【4】けがをして出血した時などに血を止める役は:血小板〈一次止血(しけつ)〉と血漿〈二次止血〉
血液型の種類
一般的にA、B、O、ABの4種類に分かれています。ただ血液型は専門的に分けると無数にわかれます。
日本人ではいちばん多い血液型はA型です。しかもこの図では、A型が1位なのは、日本だけです。
血液型について
赤血球の表面についているたんぱく質の種類によって、人の血液を4つに分けたのがABO式血液型です。手術やけがなどで大量に出血すると命に関わるため、輸血が行われます。輸血とは健康な人の血液をとって、必要とする人の静脈へ注射することです。血液型が合わないと血管の中で血液が固まってしまうため、同じ血液型の人のものが使われています。
心臓の病気
心臓が病気になる原因
運動不足や偏(かたよ)った食事などを続けると血液がドロドロになって心臓に負担がかかって負荷がかかってしまいます。
心臓にもしものことがあったら大変です。毎日の規則正しい生活が大切なんです。
狭心症(きょうしんしょう)
【どんな病気】血管が何らかの原因で狭(せま)くなり、心臓の筋肉に十分な血液が送られなくなった状態を狭心症(きょうしんしょう)といいます。心臓が一時的な酸素不足になるので、胸がしめつけられる、胸の奥(おく)が痛むなどの症状(しょうじょう)が起こります。階段や坂道を上っているときなど、からだを動かしている状態や、精神的に興奮している状態などで起こりやすい病気です。
「鉄欠乏性貧血(てつけつぼうせいひんけつ」
【どんな病気】何らかの原因でからだのなかの鉄分が不足すると、体内に酸素を運ぶ役割の赤血球にふくまれるヘモグロビンが減り、貧血が起こりやすくなります。貧血の90%が「鉄欠乏性貧血」であるといわれ、男性に比べ女性がかかる割合が非常に高い病気です。【主な症状(しょうじょう)】立ちくらみがする、顔色が悪い、動悸(どうき)・息切れが起こる、皮膚(ひふ)が蒼白(そうはく)〈青白〉になる、爪(つめ)がわれやすくなるなどの症状が出ます。【原因】食事からの鉄分の摂取(せっしゅ)不足や、消化吸収機能の低下、妊娠(にんしん)による鉄分不足、女性の生理による出血過多(かた)などが挙げられますが、過度な偏食(へんしょく)やダイエットもその原因に挙げられています。【治療(ちりょう)】貧血がひどい場合や食事療法(りょうほう)で改善がみられない場合は、鉄剤(てつざい)を投与(とうよ)します。体内の鉄分の割合が正常になるまでには、3〜4ヵ月はかかるケースが多いです。